Artist Interview -Tatsuya Uchida-

コラージュアーティストとして活動し、仕事はバリスタ、休日はスケートボードという、まさにメルボルンらしい (Melbourne ish=Mish) タツくんに、行きつけのビアバー、Fitzroyエリアの「Slow beer」にてインタビューをさせてもらいました。

内田達也くん(@tinfoilashtray)

メルボルンへ来たきっかけ

−もともと日本でストリーマー(*2010年より東京を中心に営業するカフェ、「STREAMER COFFEE CAMPANY」)で働いていた時に、メルボルンの噂を聞いて興味を持ち、先に行ったスケーターでもある先輩の誘いもあって「行っちゃえ!」と。2017年頃にワーホリで。一番最初はコーヒーをしに、バリスタの技術向上させようと思って。ワーホリで1年来て、一回帰って、今は学生ビザで滞在中。

今働いているお店

− Fitzroyの「Sir Charles」と、Richmondの「Hunted + Gathered」です。

「Sir Charles」は、ランチメインでたまにファンクションもある大きいカフェ。ご飯もおいしく、居心地がよく、誰でも来やすいカフェかな。

タツくんのラテアート@Sir Carles

「Hunted + Gathered」はコーヒーも置いてるチョコレート工場。ブランチはないけど、「Meat smith(*フィッツロイにあるSpecialty Buther)」のめちゃめちゃおいしいサンドイッチや、工場でシェフがカカオ豆をローストして作るブラウニーやブロンディー(ホワイトチョコベースのブラウニー)などのペイストリー、クッキーもある。他にもメルボルンのクラフトジンブランド「Four Pillars Gin」、カールトンのアイスクリーム屋「Pidapipo」ともコラボしてる。いいところです!

つい先日「Tokyo Coffee Festival」にも参加していた「Hunted + Gathered」。

メルボルン生活、仕事の流れ

− 1年目のワーホリの頃は、シティの「No Vacancy Cafe」とAbbotsfordのカフェで1年間。一番最初の仕事以外は友達の紹介も多い。コーヒーやってるとも知らずに友達の友達として知り合って、自然とできたコネクションで。そこら辺もメルボルンの面白いところ。

学校ではグラフィックデザインのコース。もともと興味はあったし。将来的にはグラフィックデザインがしたいな。Illustratorの使い方とか、デザインに会う色やフォントの勉強をして、役にたってる。授業の課題、例えば、本の表紙作りなさい。とかも何だかんだ結局コラージュ(笑)

アーティスト名の由来「cut and past and greg」「tinfoil ashtray」

– コーヒー屋とかピザ屋のテイクアウェイで、名前を聞かれるじゃん。名前がタツヤでニックネームがタツ(Tats)なんだけど、いつも伝わりにくくて、友達のウィルに、「英語で名前くれよ」っていうと「んーグレッグ(Greg)」と。それはこっちの人からするとジョークで、日本人でいうヒロシ、太郎みたいなクラシックで、ちょっと古い名前。アジア人がグレッグな訳がない、という面白半分で。使ったのは二、三回。それを知ってからは恥ずかしくて。他のお客さんにこいつがグレッグかよってみられても恥ずかしいじゃん(笑)

アーティスト名としてはGregを使うことも多い。「Cut and Paste and Greg」。響きも良くて。

tinfoilashtrayの「tinfoil」はどこからきたらわからないけど、音楽のアーティストの友人ウィルと、パンクバンドをやろうという、遊びでね、ノリで。「生ビール!生ビール!」「こんにちは!こんにちは!」とかいうだけのクソみたいなパンクバンド(笑)これに名前つけようぜ、ってなってその時タバコ吸ってて、そこから。

でもこれからやろうとしている面白い遊びもあって。町中にいろんなベンチなどにクリップでデザインしたステッカーをくっつける。人々がタグみたいな感じでそれを取る。それを違うコラージュでアルバム名までつけてまたチャージ。

「tinfoil ashtrayって何だろう。バンド名っぽい、でもググっても一切出てこない。こいつ知ってる?」「知ってるけど音楽一回も聞いたことないんだけど?何なんだろうね?」

でも結局一切音楽はない、架空のバンド。という遊び。人々を楽しませたい、という企画。メルボルンだからできそうな遊び。日本、東京とかだとこんな遊びに気づいてくれる人も少ないかな?

コラージュをはじめたきっかけ

– ずっとスケボーやってて、横浜のスケートショップで、友達が自分のスケボーの裏にコラージュしてるのをみて、真似したのが一番最初のきっかけ。それをずっと続けてて、メルボルンきた頃に、友達に、「俺好きだけら、ちゃんとした作品にしなよ。」って言われて。高評価だったから、やってみるのもいいかなと。

あんまり、他のコラージュのアーティストは見ないようにしている。影響を受けて、真似したくなっちゃうから。アートも好きだけど、どれが誰の作品とか、そこまで気にしたことはない。

アートの作り方

アナログコラージュの作業風景。

− 一番最初は新聞紙。どうやってやるのかもわからないから、テキトーに写真を切って。その次は、古本。だいたい、大まかなイメージを持って、バーっと見て、これなんかに使えそうだな、って古本を探して他の本とつなぎ合わせていって買う。そこから、とりあえず、気になったものを全部切り取って、ファイルに入れる。絵描きさんと一緒で、パレットに色を乗せるように、女の人、車、花、と素材をジャンルに分けて、いっぱい切っていく。そこからは色味も気にしながら、その日の気分で。意外と俺の場合は、最初に作ろうと思って作るんじゃなくて、その日その時の感覚。うまくイメージできないときは一切やんないようにして。そういえばこんな素材があったな、と。最初に作っていたイメージはだいたい崩れている。今は、すぐに手に取れるように、部屋の壁一面にペタペタ貼っている。壁が全部パレット。ちょっと怪しい、クリーピー(笑)

こちらがパレット化した、家の壁。

くっつけ方は、最初は糊で、最近はBlu-tack(*オーストラリアで一般的な粘土のような粘着剤)で。ブルタックは押し込まずに、額に収まる程度でわざと丸めたりして立体感を出すようにしている。それでやると、ちょっと浮いて、影ができる。自分の部屋に飾っていて、時間帯によって日当たりと影が変わる。そこら辺もなんか楽しいなと。デジタルではない楽しみ。

#デジタルコラ始めました

– 最近は自分で撮った写真だけをデジタルコラージュに使うことにしている。クラシックな、本を切り取るコラージュもやるけど、デジタルは、自分が撮った写真だけを使う。一回も他人の写真を使ったことはない。決まりがあるわけじゃないけど、本を写真で撮って、というミックスはしない。デジタルでコラージュを始めたのはメルボルンだから、今の作品は全部メルボルン。デジタルはiPadとペンで、Photoshopを使って。やってることは一緒!ハサミかペンか。

ミックスも考えたりするけど、こうしようと思ってやったイメージはあんまりなくて。作品を友達に見せて面白いと思ったのは、全員違うストーリーをあげること。観る人によって見方が変わるし何でも当てはまる。自分の気分でも色味も変わる。テンション下がってるときは暗めの色。暗い。最近見直してて気づいた(笑)

今までとこれからの活動

– 自分が働いていた代官山のお店で一回展示。あとは「No Vacancy Cafe」でステッカーも売ってた。「Everyday Coffee」 ではガレージセールに出展。あとは、ゆういちろう君のみかん農園(*若松優一郎君@wakayou 愛媛県宇和島でみかんを作っている。過去にMishのインスタにも登場!)のオンラインショップのイメージ画像も。

ゆういちろう君のみかん農園のために製作したイメージ。

今年の8月には個展も予定中。インスタに載せてるようなやつではなくて、あんまり見せていない、個展用スタイルで作成中。

他には友達とのコラボレーション。友達がバッグを作ってて、それにコラージュでデザインしたり。あとは架空バンドの活動、友達の弟がやってるバンドのジャケット作成。あとは洋服も作ろうと。作ったコラージュをスキャンして、硬いコットンみたいな生地にプリントして、切り取って、さらにパーカに移植。それこそそれもカットアンドペースト。Tシャツにプリントはどこでもできるけど。面白いじゃん。あとはキーチェーンも最近作ってる。思ったより注文をいただいてて、結構追われてる。有難い話です。だからスケボーは我慢中(笑)

将来的には、もともとはコーヒー屋をやりたかったけど、メルボルンでコラージュをはじめたり、グラフィックデザインの勉強や、日本に一回帰って考えたこととか色々重なって、今はグラフィックデザインがやりたいなあ、と。日本に帰ろうとは思ってない。次はベルリンに行く可能性も高い。5年後の理想は、ベルリンで、グラフィックデザインしながらコラージュもやっていたい。それまではバリスタかな?2年前までは「バリスタですよ!」だったけど、つなぐ形になっちゃったかな(笑)

今後も続々と活動を控えている、タツ君。彼の動向と作品は、Instagram(@tinfoilashtray)でチェック!

Interview: Mish melbourne

Edit: ARATA